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島文楽

 文楽は、義太夫節(ぎだゆうぶし)の語りに合わせて演じられる操り人形芝居で人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)ともいいます。義太夫節は、大夫(たゆう)1人と三味線1人で演奏する形が基本ですが、大夫と三味線は、その場のあらゆる状況、登場する老若男女の喜怒哀楽そして物語のすべてを語り、表現するため、競演という形で演奏を進めていきます。
 文楽人形の最大の特徴は「三人遣い」で、その中心になる人を「主遣い(おもづかい)」といいます。主遣いは人形の背中から左手を差し込み、人形の首の部分につながる胴串(どぐし)という棒を握って人形全体を支え、右手で人形の右手を遣います。「左遣い(ひだりづかい)」は右手で人形の左手を遣い、「足遣い(あしづかい)」はうしろから中腰に構え足の運びを操ります。人形遣いが観客から見えていることも、他の操り人形にはない文楽の大きな特徴です。
 島文楽は「島デコ」の愛称で親しまれてきました。伝えられている人形は、安土城竣工祝の際、織田信長に召された渡辺弥四郎なる人が操ったものと言われています。慶応3(1867)年、弥四郎から14世の子孫にあたる常助から、人形一揃いを葉栗郡大毛村(現一宮市大毛)の人々が買い取ったものの、若者たちが人形芝居に夢中になって農事を顧みないので、数年ならずして隣村の島村に譲り渡しました。それ以後、島村では三宅村(現岐南町)へ身を寄せていた人形遣いの名人などの指導を受けて芸を磨いたと言われています。人形はこのほか、明治初年に岐阜座から買い受けたものなど、一時は100点を超えるほどにもなりましたが、現在は60点ほどになっており、このうち36点が市指定有形民俗文化財となっています。
 公演は、毎年8月に市民会館で開催される「いちのみや民俗芸能のつどい」と3月の市博物館での定期公演のほか、不定期で年に数回行っています。

島文楽「傾城阿波の鳴門」の様子