令和2年度市政運営方針

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ページID 1033347  更新日 2020年2月28日 印刷 

市長説明要旨

1.基本姿勢

 「第7次一宮市総合計画」の「前期基本計画」に示された「5つのプラン」と「2つのマネジメント」に沿って、令和2年度も引き続き、各事業への取り組みを続けてまいります。
 令和元年、日本は様々な災害に見舞われました。また、愛知県は交通事故により亡くなられた方について、全国ワーストワンを脱したとはいえ、まだまだ痛ましい事故は後を絶ちません。
 市民の皆さまの安全・安心が最重要課題であることは言うまでもありません。継続して進めています、通学路をはじめとする交通安全対策、そして国が進める国土強靭化政策を活用して、治水対策などによる地域の防災力向上を推進します。
 近年、夏の猛暑が続いています。一昨年、ほかの自治体に先んじて、しかも経済的に全ての小・中学校の教室にエアコンを整備することができました。保育園については、乳児・年少児の保育室はエアコンの整備が完了したので、今後は年中・年長児の保育室への整備を急ぎます。
 また、小・中学校のトイレの洋式化については、令和2年度をもって、洋式化率の目標を達成します。加えて、新たな給食センターの整備については、用地取得など、具体的な取り組みに着手します。引き続き、快適な学習環境の整備に力を注いでまいります。
 令和元年8月には、「使用料・手数料の見直しに関する基本方針」を定め、市民の皆さまの公平かつ適切な負担を実現すべく、4月から、各種の見直しをお願いしています。放課後児童クラブについても、3年間で段階的に利用料を改定しますが、併せて、令和元年度から実施した6年生までの対象拡大に加え、待機されている方たちにも向けた施設整備と定員増などを進め、一層の学童保育の充実を図ります。
 先進的な技術の活用についても、積極的にチャレンジします。次世代の通信システムとなる第5世代「5G」の利活用について、救急や火災の分野での実証事業を行います。
 また、一宮市はRPAと呼ばれるコンピュータを使った事務処理の自動化、事務ロボットの活用について、先進的な取り組みを続けています。令和2年度も、さらに多くの業務へ導入することで、事務の効率化と経費の圧縮につなげます。
 新たな一宮市を目指し、限りある財源の適切な配分が今まで以上に求められています。まさに「選択と集中」です。予算や事業の見える化への取り組みも一層充実させ、様々な世代の方々に、未来の一宮市への希望、期待を感じていただけるよう、施策の実現に取り組んでまいります。

2.予算規模

 まず歳入についてです。市税は前年度と比較し、4億5,000万円、0.9%の増額となり、過去最高の予算額となりました。
 法人市民税は、税率改正の影響などで減額となりましたが、給与所得の伸びなどによる個人市民税の増額、家屋の新築、増築分による固定資産税の増額などが市税全体の増額につながりました。しかしながら、新型コロナウィルスや米中貿易摩擦など、日本を取り巻く状況に目を向けると、決して楽観できる状況ではないと感じています。
 そのほかの歳入ですが、増額となるものでは、去る10月の消費税率の引上げに伴う、地方消費税交付金で10億円、歳出における福祉分野などの各種給付費の大きな伸びなどによる国、県支出金で約14億2,000万円、また、市債では、国の国土強靭化政策を活用して、治水対策を進めることなどから、約14億9,000万円の増額となりました。
 減額の主なものは繰入金で、財政調整基金繰入金の減額により、約12億2,000万円の減額となりました。
 次に歳出における増額の主なものですが、民生費が約24億9,000万円と大きく増えています。障害者福祉、児童福祉などで、給付費をはじめ扶助費で大幅な増額となったことによるものです。また、衛生費では、昨年11月に発生したリサイクルセンターの火災による復旧工事費などの影響で、約8億8千万円の増額となりました。
 減額の主なものは教育費で、プログラミング教育など教育環境の整備を進めてまいりますが、一方で、いちのみや中央プラザの整備が完了したことなどにより、約7億円の減額となりました。商工費では、令和元年度に実施された、国のプレミアム付商品券事業に係る経費が減額となったことなどにより約3億2,000万円の減額となりました。
 その結果、一般会計の予算規模は1,159億7,000万円となり、前年度に比べ25億4,000万円の増額、率にして2.2%の増となりました。
 また、特別会計・企業会計ですが、国民健康保険事業においては、被保険者数の減少の影響で約6億6,000万円の減額、一方で後期高齢者医療事業では、被保険者数の増加により約7億円の増額となりました。介護保険事業においては、介護サービス給付の伸びなどにより約7億9,000万円の増額となりました。水道事業会計では、老朽管対策事業の増額などにより約6億円の増額となっています。
 一般会計と特別会計・企業会計を合わせた全会計の令和2年度予算額は、約2,387億6,000万円となり、前年度に比べ約41億4,000万円、率で1.8%の増額となりました。
 以上、令和2年度予算の規模について説明を申し上げましたが、続いて、主な施策の概要について、ご紹介させていただきます。

3.事業方針

(1)健やかにいきる

健康寿命の長いまちづくりに取り組みます

 各種健診の受診率の向上に努めるとともに、健康マイレージアプリを利用して、若年層から高齢者まで幅広く健康意識を高め、健康寿命の延伸を図ります。
 中核市移行に向けて、地域における保健衛生分野の専門的・技術的拠点となる市保健所の設置を準備します。

安心して子育てができる環境をつくります

 母子健康包括支援センター事業をはじめ、妊産婦及び乳幼児健康診査事業などの母子保健事業により、安心して子育てができる環境を整えます。また、3つの保健センターで実施する、3歳児健康診査に目の屈折検査機器を導入して、弱視の早期発見を図り、早期治療に繋げます。
 乳児を預かる小規模保育事業所を新たに2カ所開設し、乳児保育の充実を図るとともに、医療的ケアを必要とする子どもを公立保育園で受け入れる課題などを検討するため、モデル事業を実施します。
 放課後の子どもの居場所づくりについては、放課後児童クラブの待機児童対策として、4小学校区で施設整備を行い、待機児童削減を加速化させます。また、小学校の教室を利用する放課後子ども教室では、要望の多い2小学校で定員を増やします。

適切な医療を受けられる体制を整えます

 地域医療支援病院である一宮市立市民病院では、「地域医療連携ネットワークシステム」を導入し、医療機関との連携をさらに深めて、地域住民に安全・安心な医療を提供できるよう努めてまいります。

高齢者が安心していきいきと暮らせるよう支援します

 高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、介護予防や認知症施策の推進、高齢者の居場所づくりなどの生活支援体制の更なる充実に取り組みます。
 木曽川いこいの広場で実施している認知症予防事業を浅野いこいの広場でも展開します。
 また、高齢者福祉施策と介護保険事業を総合的に推進するため、令和3 年度から5 年度までの「第8 期一宮市高齢者福祉計画」を策定します。

障害者福祉の充実を図ります

 市独自のグループホーム建設補助は、補助要件を見直し、昼夜を問わず支援体制が確保されるグループホームの建設を促進します。
 また、令和3年度に始まる「第3次一宮市障害者基本計画」並びに「第6期一宮市障害福祉計画」及び「第2期一宮市障害児福祉計画」の策定にとりかかります。

(2)快適にくらす

ごみの適正処理や資源リサイクルを推進し、地球温暖化防止に取り組みます

 令和元年11月に発生したリサイクルセンターの火災により、現在停止している設備の早期復旧を進めます。今後も引き続き、ごみの減量と効率的なごみ処理、資源化を進め、最終処分場の延命を図ります。
 地球温暖化防止に向けて、令和2年度から始まる「いちのみや気候変動対策アクションプラン2 0 3 0」に基づき、エネルギーの有効活用や省エネルギー型ライフスタイル・事業活動の普及促進、環境に関する情報発信など、各種施策を推進します。

水と緑を活かしたまちをつくります

 木曽川河川敷公園については、引き続き遊歩道・自転車道などの整備を進めるとともに、名神高速道路から下流の一部区間について遊歩道・自転車道のルート選定を行います。また、冨田山公園でのPark-PFI活用の検討や官民連携により木曽川の利活用を促進し、賑わいを創出して、魅力的なまちづくりを進める「ミズベリング」に引き続き取り組みます。さらに補修が必要なツインアーチ138展望室において、森林環境譲与税を活用し、国産木材を使った改修を行い、タワー入館者の増加を図ります。
 そのほか、奥村井筋及び森上井筋の上部や青木川の堤防道路を活用した遊歩道の整備、さらに「一宮市公園施設長寿命化計画」に基づき、老朽化した遊具などの公園施設の計画的な補修・更新を進めます。

良好な生活環境を確保します

 健全な水環境をつくるため、公共下水道の整備や合併処理浄化槽の普及に努めます。
 また、中核市移行に向けて、大気汚染防止法に基づく規制・監視体制の整備を進めます。
 下水道事業については、持続可能な汚水処理システムの構築のために単独公共下水道の流域下水道への編入による広域化を進めるとともに、公共下水道への早期接続を促進します。

総合的な住宅対策に取り組みます

 木造住宅の無料耐震診断や耐震改修費及び解体費の補助等を引き続き実施し、民間木造住宅の耐震化を進めます。また、空き家等対策事業では、周辺に悪影響を及ぼす老朽空き家の解体費補助についても引き続き実施します。
 また、高齢者をはじめとする住民が安心して暮らせるよう、公共交通機関と連携した、コンパクトなまちづくりを推進します。
 外崎地区では、土地区画整理事業を推進します。

公共交通網の整備を進めます

 路線バスの運行支援やi-バス、i-バスミニの運行を引き続き行います。また、バス事業者との協働により、市内全バス路線で利用できるバス1日乗車券を発行するなど、引き続きバスを利用しやすい環境の整備に取り組みます。

歩行者や自転車が安全に通行できる交通環境を整備します

 通学路の安全を確保するため、カラー塗装や横断歩道橋の長寿命化を計画的に進めます。また、安全で快適に自転車を利用できるよう自転車通行空間を計画的に整備します。
 ビッグデータを活用して危険箇所を把握し、必要な交通安全施設を整備します。
 光明寺二ツ屋線と五城森上線などの歩道を拡げるとともに、安全上必要な箇所にカーブミラーや道路照明灯などを設置し、歩行者が安全で快適に通行できる歩行空間の確保に努めます。
 「改良すべき踏切道」として指定された今伊勢地区の2カ所の踏切については、効果的な踏切対策を関係機関などとともに進めます。

(3)安全・安心を高める

災害に強い社会基盤整備を進めます

 避難所となる中学校19校の屋内運動場に、Wi-Fi機器を設置し、避難所の機能や環境を向上させます。
 浸水被害を軽減させるため、総合治水計画に基づき、ハード事業・ソフト事業を組み合わせて実施します。ハード事業では、小・中学校のグラウンドを利用した流域貯留施設の整備、準用河川の改修事業などを継続して実施するとともに、新たな遊水地の整備などを進め、国や愛知県が進める河川整備などに積極的に連携協力します。
 ソフト事業では、民間での雨水貯留浸透施設に対する設置補助の利用を促すとともに、河川等水位情報などを有効活用して、洪水時における防災体制の早期確立や想定しうる最大規模の雨に対する洪水ハザードマップを作成し、市民への情報提供を積極的に行います。
 大規模災害による工作物の倒壊がないように、第3次緊急輸送道路に指定されている市道0138号線で無電柱化を進めます。また、ブロック塀等撤去費補助金交付事業を継続して実施します。
 水道事業については、基幹管路の耐震化を計画的に進めます。また、今年度は、指定避難場所である2つの小学校に、応急給水栓の設置を進めます。
 佐千原浄水場の第2ポンプ棟建設事業については、引き続き進めて令和4年度末の稼働を目指します。
 下水道事業については、大和幹線雨水管布設工事を令和4年度までの継続事業として行うとともに、合流区域の主要幹線の耐震化を進めます。

火災や救急に対する体制の強化を進めます

 聴覚・言語機能障害者がスマートフォンなどを使用して文字による会話形式で円滑な緊急通報を行うことのできるNet119緊急通報システムを構築します。
 中核市移行に向けて、高度救助資機材を整備し、多様化する災害への備えを充実させます。救急救命士の育成を継続して、救急業務の高度化を図ります。
 加えて、消防車両については化学消防ポンプ自動車、水槽付消防ポンプ自動車及び高規格救急自動車などを更新して、消防力を強化します。

防犯対策を進めます

 犯罪発生件数は減少しているものの、依然として住宅を狙った侵入盗犯罪は多く発生しています。犯罪多発地域における深夜巡回パトロールの実施や、青色防犯パトロール隊車両へのドライブレコーダー配備など、犯罪を起こさせない環境づくりに引き続き取り組みます。
 また、町内会などが設置する防犯カメラや防犯灯への補助制度も継続し、安全・安心なまちづくりを進めます。

(4)活力を生みだす

既存産業や次世代産業の育成を支援します

 スタートアップ支援として、市内で開業する事業者に対し、初期投資の負担軽減を図り、スピーディーな助成を行います。
 繊維産業については、一宮地場産業ファッションデザインセンターと緊密に連携し、展示会やプロモーション、人材育成や海外展開の支援を継続するとともに、尾州マーク認証制度の運用により、尾州テキスタイルのブランド化を推進します。次代を担う人材の発掘・育成をテーマとするジャパン・テキスタイル・コンテストについては、技術力・デザイン力・マーケティング力の強化を図り、ビジネスチャンスの拡大を目指します。
 企業の誘致については、都市計画法に基づく指定地区への立地を促進するとともに、企業立地奨励制度などを活用し、事業所の新設や増設及び雇用の創出を図り、産業の多角化や高度化を推進します。

意欲を持って働けるよう就労支援を進めます

 ハローワーク一宮と連携して、若者、女性、高齢者、障害者向けに合同企業説明会や就職支援セミナーなどを盛り込んだ就職イベントを開催するとともに、障害者の雇用に対する各種助成・奨励金事業を継続し、就職の支援を行います。

女性の活躍できる環境をつくります

 第3次一宮市男女共同参画計画に基づき、愛知県等と連携しながら、女性の就労支援、仕事と子育て・介護の両立支援を推進します。

魅力があり持続的発展性のある農業を支援します

 農業の担い手や後継者の育成のため、国の各種補助制度の活用や市独自の支援事業を進めます。引き続き、JA愛知西と連携した「はつらつ農業塾」を開講し、就農者の確保に努めます。
 一宮(138)の野菜(831)プロジェクトを実施することにより、農業の6次産業化・地産地消を推進するとともにブランド化を進め、一宮市の魅力的な農産物を様々な方法でPRしていきます。

幹線道路の整備を進めます

 名岐道路の整備については、国において高速化に向けた対応方針案が示されました。引き続き岐阜市など関係市町や経済界と連携協力し、国や愛知県に対して早期事業化をより一層働きかけていくとともに、市としてできる対応なども検討していきます。
 また、名鉄苅安賀駅付近の鉄道高架事業、仮称ではありますが、西尾張インターチェンジ、新濃尾大橋や北尾張中央道の早期完成、萩原多気線の早期事業化に向け、事業主体である愛知県とともに事業を進めます。
 福塚線と今伊勢北方線は、令和2年度末の供用開始に向けて整備を進めるとともに、道路ネットワークの強化により、都市交通の利便性の向上に努めます。

(5)未来の人財を育てる

学校教育施設を整備します

 昨年度に引き続き、小中学校のトイレの改修工事を行います。これにより、校舎内の全てのトイレで洋式化率は50%以上になるとともに、災害時に避難場所となる屋内運動場の洋式トイレ設置率は100%となります。
 また、現在ある2つの学校給食共同調理場を更新するため、新たな学校給食共同調理場の用地取得を進めます。

特色ある教育活動を実施します

 学校教育については、ひとりひとりを大切にしたきめ細かな指導を進めるために、特別支援協力員を増員します。また、一宮市の未来を担う児童生徒の育成をめざし、ロボットを全ての小・中学校に1台ずつ配備し、プログラミング教育の一環として活用します。
 一方、中核市移行に向けて、教職員の研修の拠点となる一宮市教育センターの充実を図ります。

する・みる・ささえるスポーツ活動を支援します

 東京2020オリンピック聖火リレーのルート自治体として、リレーを大いに盛り上げ、開催気運の醸成を図り、更なるスポーツ振興に取り組みます。同じく、パラリンピック聖火リレーの採火イベントを行い、障害者スポーツへの理解を深めていただけるよう啓発を行います。

歴史・文化に親しめる環境を整えます

 博物館では、全国巡回展として近年発掘され、特に注目された出土品を中心に展示する「発掘された日本列島」展を開催します。また、三岸節子記念美術館では、特別展として丸木位里展などを開催します。
 国登録有形文化財・旧林家住宅と尾西歴史民俗資料館は、木曽川や美濃路起宿の歴史を後世に伝える活動の拠点や歴史・伝統文化を学ぶ場として幅広く活用します。

(6)人を呼び込む ~シティプロモーション~

子育て世代に選ばれるまちをつくります

 子育て世代の移住・定住を促進するため、PR動画を効果的に情報発信します。東京23区から移住し、かつ地元企業に就業し、又は起業した場合の移住に要する費用などについて助成します。

訪れてみたいまち、交流が盛んなまちをつくります

 市制施行100周年を、一宮市にゆかりのある多くの方々と喜び祝うとともに、次の100年に向けた飛躍・発展の契機となるよう、いちのみや市100周年記念事業基本方針に基づき、令和3年の事業実施に向けて準備を進めます。
 「おりもの感謝祭一宮七夕まつり」をはじめとする集客イベントは、さらに観光客の呼び込みを図るため、新しい発想や趣向を取り入れていきます。一宮市の魅力をより多くの方に知っていただくため、ウェブサイトやSNS、フィルムコミッション事業を活用し、観光情報を発信します。また、関係者と協力し観光資源の魅力アップに取り組むとともに、愛知県や他市町村とも連携し、年間を通じた観光客の誘致にも力を入れます。
 ウォーカブル推進都市として、一宮駅を中心としたエリアにおいて、「居心地が良く、歩きたくなるまちづくり」を目指し、中心市街地の活性化に向けた官民連携の取組を推進します。

(7)持続可能で未来につなげる

健全な財政運営に努めます

 人口減少や高齢化などの課題に対応し、住みやすく、より質の高い行政サービスを自主的・自立的に提供するため、中核市移行基本計画に基づき、令和3年4月の中核市移行に向け、優秀な人材の確保や組織の充実など、準備を進めます。
 人員や歳出の削減を中心とする「量の改革」、人と予算の効率性を高めた上で質の高い市民サービスを提供する「質の改革」という2つの改革の精神を引き継ぎながら、「ICT・情報化による革新」「財政・資産の改革」「人材・組織の改革」「官民連携・コミュニティ力の強化」を柱に、一層の改革を推進します。
 市税の納期内納付を推進するとともに厳正な滞納整理を進めます。また、「使用料・手数料の見直しに関する基本方針」に従い、適切な受益者負担と市民負担の公平性の確保に努めます。加えて、中期財政計画に従い、市債残高の圧縮と財政調整基金の残高確保に努めます。

公共施設の適切な維持管理に努めます

 計画的な保全・更新等を進めるために平成28年度に策定した「一宮市公共施設等総合管理計画」を基にして、個別施設の管理計画、保全計画等を策定します。公立保育園については、一宮市保育所等施設総合管理計画に基づいて適正配置を進めます。

情報通信技術(ICT)を積極的に利活用します

 第5世代移動通信システム、5Gの早期普及と行政分野での利活用を進めるため、安全・安心をテーマに官民協働の実証実験を行います。
 インターネットを介して人工知能(AI)と会話をする、いわゆるAIチャットボットを活用し、入力された市民からの問い合わせにAIが自動で回答する総合案内サービスについては、愛知県と県内市町村で連携して、共同調達により効率的に導入します。
 また、昨年度、市民税賦課業務に導入し、併せて他業務への利用拡大を進めてきたRPA、事務ロボットについて、さらなる利用拡大を進め、事務の効率化を図ります。

適切な情報発信を行います

 開かれた市政を推進し、適切に行政の説明責任を果たすため、市民が必要な情報を入手できるよう、市のウェブサイトやSNSを活用した積極的な情報発信を行うほか、情報公開制度等に基づき行政情報の提
供を行います。
 また、市民や事業者が新たなサービスや新たな事業分野に進出しやすくするため、市が保有している公共データを電子的に2次利用が可能なルールで公開する、いわゆるオープンデータを積極的に公開していきます。

市民との協働を進めます

 引き続き「地域づくり協議会」の支援に努め、地域コミュニティの推進と、明るく住みやすいまちづくりを進めます。
 アダプト・プログラムなど、ボランティアによる美化及び清掃を通じ、居住環境及び都市環境に対する市民意識の高揚を図り、市民との協働によるまちづくりを推進します。

4.結び

 以上、令和2年度の主な施策につきまして、重点事業、新規事業などを中心にご紹介いたしました。
 予算の編成にあたっては、年々増加する医療給付など社会保障費への対応や、将来に向けた、公共施設の維持・改修経費の増大など、山積する課題に立ち向かうとともに、持続可能な未来の一宮市のために、今まで以上に事業の効果、優先順位を見極め、真に必要な施策、行政サービスの充実に取り組みました。
 従来のような予算の定率カットは行わず、施策の内容を丁寧に精査し、必要な事業に必要な財源を配分する作業を徹底しました。その結果、令和2年度の一般会計総額は、令和元年度から25億円あまり増えて過去最大となりましたが、不足する一般財源を補うための財政調整基金の取り崩し金額は、前の年度から12億円減らして予算を編成することができました。市民の皆さまの安全・安心が一番、と冒頭でも申し上げました。財政調整基金は万が一の災害への備えであり、また次年度以降、次世代への責任をもった財政運営の指標ともなることから、基金残高の確保も重要な課題だと捉えています。
 2021年の市制施行100周年、そして中核市となる、令和の時代の新たな一宮市として価値、ブランド力を高めるべく、市議会議員の皆さまをはじめ、各企業や団体の皆さま、そして市民の皆さま、ひとりひとりにご協力をいただきながら、一宮市の持つ潜在的な力を開花させたいと願っております。そして、その魅力を市の内外に発信できるよう、努力を惜しまない覚悟です。
 ひとりでも多くの皆さまが「一宮に住んで、良かった」、そして、市制施行100周年のキャッチフレーズである「いちばんだいすき。一宮」と実感していただけるよう、チャレンジし続けることをお約束し、令和2年度の市政運営方針の結びといたします。

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