令和8年度市政運営方針
ページID 1075000 更新日 2026年3月23日 印刷
市長説明要旨
1.基本姿勢
ここ数年続いている物価高騰は、今もって収まる気配がありません。国際情勢も不安定さが増す中で、今後もその傾向は続くと考えられます。
国内では、昨年1月の埼玉県八潮市の道路陥没事故をはじめ、インフラの老朽化による事故が多発しています。自然災害も「数十年に1回」と例えられるような規模のものが、毎年のように発生しています。
われわれ基礎自治体を取り巻く環境は厳しさが増す一方です。そんな中でも、地域経済を発展させ、市民一人一人が心身ともに満たされて幸福を実感できる都市、持続可能な一宮市を構築していかなければなりません。
10年先を見越して、これから着手が見込まれる大規模事業を洗い出し、費用の見込みを調査したところ、財政負担の結果は予想を上回る厳しいものとなりました。今後の社会情勢の変化も考慮し、規模や手法など、創意工夫による抜本的な見直しを行ってまいります。
新たな時代にふさわしい行政としては、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、デジタルを活用した業務改革を引き続き推進します。昨今は、生成AIの進展が社会生活のあり方を大きく変えつつあり、行政サービスでの活用も重要テーマとなっています。国や県とも協力してDX実現のために乗り越えるべき課題を把握し、行政の効率化を進めるとともに、市民の皆さまが日常において、便利さを実感することはもちろん、より豊かで健康に暮らせるよう、様々な新施策にチャレンジしてまいります。
2.予算規模
令和8年度の一般会計の予算規模は、当初の予算額としては過去最大の1,467億4,000万円となり、令和7年度に比べ24億3,000万円、率にして1.7%の増額となりました。
一般会計と特別会計・企業会計を合わせた全会計では2,868億2,000万円余となり、増額69億2,000万円余、率にして2.5%増と、近年の物価高騰などの影響もあり、全会計においても過去最大の予算規模となっております。
まず、一般会計は、民生費が社会保障給付などの増大により34億3,000万円余の増額、教育費では小学校給食費の抜本的な負担軽減、いわゆる給食無償化に係る学校給食会への補助金や(仮称)第二共同調理場予定地の購入、中学校の屋内運動場空調整備事業などにより22億円余の増額となりました。その一方で減額となったものとして、衛生費が新保健所の完成などにより17億7,000万円余の減額、消防費が緊急通信指令システムの更新完了により11億3,000万円余の減額となっています。
歳入について、その柱となる市税は、令和7年度と比較して16億4,000万円、3.0%の増額となっており、過去最高額となる見込みです。
また、国が示す地方財政計画により、普通交付税を9億円の増額としています。
そのほか、地方特例交付金は、ガソリン暫定税率や自動車税などの環境性能割の廃止に伴う減収分の補填により3億4,000万円余の増額、国庫支出金は、社会保障給付の増大に伴う増額の一方で、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金が減額となったことに伴い、国全体では3億円余の減額です。県支出金は、いわゆる給食無償化に係る新たな補助金の創設により増額12億1,000万円余となりました。
なお、繰入金については、財政調整基金から43億円の繰入れを計上しております。
続きまして、特別会計・企業会計の主なものとして、介護保険事業においては、介護サービス給付費の増大などにより21億円余の増額、病院事業会計においては、人件費の増などにより12億7,000万円余の増額となりました。
以上、令和8年度予算の規模について説明を申し上げましたが、続いて、主な施策の概要について、ご紹介させていただきます。
3.事業方針
(1) 健やかにいきる
健康寿命の長いまちづくりに取り組みます
大学やスタートアップ企業との連携により、医療データを用いて一宮市における健康課題の分析と、特に慢性腎臓病に関して国民健康保険加入者への受診勧奨を行います。
安心して子育てができる環境をつくります
産科医療機関や助産所において、日帰りで産後の心身のケアや育児のサポートが受けられるよう、産後ケア事業を拡充します。
不妊治療において公的医療保険が適用されない先進医療の治療費の一部を補助します。
市遺児手当と市遺児一時金を、申請手続が不要な児童扶養手当加算金として統合し、さらに小中学校入学時や中学校卒業時の一時金を増額します。
老朽化した宮西児童館とポプラ児童クラブの2カ所の大規模改修を実施します。
保育園に通っていない6か月から3歳未満児を対象とした、通称「こども誰でも通園制度」を開始し、保護者の就労要件にかかわらず、保育園などを時間単位で利用できるようにします。
令和10年3月の完成に向け、外割田保育園と子育て支援センターの複合施設の建設を進めます。令和8年度は新園舎の建設工事を開始します。
高齢者が安心していきいきと暮らせるよう支援します
地域包括支援センターの職員を増員し、相談体制を強化します。
(2) 快適にくらす
ごみを適正に処理し資源のリサイクルを推進します
新たなごみ焼却施設の整備を引き続き稲沢市と共同で進めます。令和8年度から11年度に環境影響評価などの手続を実施し、令和16年度の供用開始を目指します。
昨年10月から開始したリチウムイオン電池使用製品の収集について、引き続き啓発に努め、ごみ収集車、ごみ処理施設における火災事故を防ぎます。
地球温暖化防止に取り組みます
地域新電力会社からの電力供給先に消防本部はじめ16カ所を追加し、公共施設109カ所とするとともに、電灯や動力などの低圧区分に供給を拡大し、126件の契約を開始します。
2年目を迎える「いちのみや脱炭素ビジネスコンテスト」では、スタートアップ企業と市内企業との協業を促し、革新的な技術の開発をより強く支援します。
省エネルギー住宅の新築などへの支援として、これまでのゼロエネルギーハウスZEH(ゼッチ)住宅に加えて、より高い性能の「GX-ZEH」(ジーエックス・ゼッチ)住宅にも補助します。
環境教育を推進します
一宮市の下水道事業100周年を記念して、「見て・触れて・学ぶ」「実験・体験」「遊び・ふれあい」をテーマに記念イベントを開催します。
水と緑を活かしたまちをつくります
かわまちづくり計画に基づき、冨田山公園の再整備と連携した水辺拠点の整備や、サイクリングロードの整備及び利活用を進めます。
真清公園については、地域のニーズを踏まえた再整備を進めます。
良好な生活環境を確保します
衛生処理場の長寿命化に向け、し尿と浄化槽汚泥の処理工程を一本化する基幹的設備の改良工事を進めます。
カラス被害対策として、ごみボックスを設置する町内会に対し、費用の一部を補助します。
市単独公共下水道の西部処理区のうち合流式については、県の日光川上流流域下水道に編入するための整備を完了し、接続を開始します。
人工衛星とAIを活用した水道管の漏水調査を行い、漏水の疑いがある箇所を特定します。
舗装診断にAIを活用するなど、道路や水路の老朽化対策を効率的に実施します。
総合的な住宅対策に取り組みます
実態調査の結果に基づき、空き家等対策計画を改定し、空き家対策を推進します。
都市機能を地域の拠点に集積するとともに、地区計画制度などを活用した居住の誘導を進め、コンパクトな都市構造の実現を目指します。
公共交通網の整備を進めます
i-バスの一部路線で運行ルートを見直すとともに、一宮市版MaaSサイト「イッテミーヤ」において、ポータルサイト「イチ・デジ」と連携したデジタルチケットを販売し、公共交通の利便性を高めます。
(3) 安全・安心を高める
災害に強い社会基盤整備を進めます
新川流域における公園のグラウンドなどを利用した流域貯留施設の整備を引き続き進めます。
日光川に雨水を強制排水する小信ポンプ場の耐震化・耐水化を進めます。
昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた木造住宅に対し、耐震改修設計費の補助を追加し、倒壊のおそれがある木造住宅の耐震化を促進させます。
今伊勢地区と木曽川地区において、水道の基幹管路の耐震化を進めます。
交通事故を減らす取組を進めます
西五城地内の交差点において安全性を確保し、環境負荷を軽減できるラウンドアバウトに整備します。
防犯対策を進めます
引き続き、防犯シティ”いちのみや”大作戦を展開し、個人宅への防犯カメラやセンサーライトの購入・設置費用の一部補助を継続します。さらに、都市公園や緑道、公共施設への防犯カメラの設置を進めます。
(4) 活力を生みだす
既存産業や次世代産業の育成を支援します
賃上げを実施した中小企業などに対し、賃上げにかかる費用の一部を補助します。
繊維産業における国際認証の取得及びサプライチェーンの強靭化を支援します。
市外から移転してくるオフィスや学術研究機関に、賃借料などを一部補助します。
幹線道路の整備を進めます
昨年12月に事業化が決定した、(仮称)尾張一宮パーキングエリアスマートインターチェンジの早期設置を岩倉市とともに目指します。
国道22号浅野交差点西側の都市計画道路岩倉街道線において、右折レーンを延伸し、渋滞の緩和に取り組みます。
(5) 未来の人財を育てる
子どもから青少年まで健全に育つ環境をつくります
青年文化教室を「ユースプラスセミナー」に改称して内容を一新し、若者が自分の生き方や将来を主体的にデザインする力を育むセミナーを実施します。
学校教育施設を整備します
シン学校プロジェクト第1期対象の小学校3校の基本設計を進めます。
中学校屋内運動場への空調設備の整備を順次進めるとともに、小学校についても設計に着手します。
2場目となる新たな学校給食共同調理場の建設に向け、用地取得や事業手法の検討を行います。
特色ある教育活動を実施します
児童生徒1人1台のオンライン端末の更新に合わせ、端末を活用した効果的な授業を進めるとともに、新しい学びのかたちを創造し、特色ある教育活動の実践に努めます。
する・みる・ささえるスポーツ活動を支援します
愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会において、当市では総合体育館でバドミントン競技が行われます。大会開催に伴い、一宮市の知名度や、市民のスポーツ意欲の向上、アジア諸国に対する異文化理解、及びパラスポーツ競技の普及促進のため、関連事業を実施します。その一つとして、小田凱人選手の生涯ゴールデンスラム達成を称え、凱旋パレードを実施します。
民間事業者と連携して温水プールを整備するため、事業者の選定を進めます。
歴史・文化に親しめる環境を整えます
三岸節子の70年余に及ぶ画業の代表作を網羅した初めての本格的な回顧展、特別展「生誕120年 三岸節子展」を開催します。
市域に唯一残る伝統技術、起土人形の制作された背景や歴史を紹介する、企画展「起土人形~その造形と色彩~」を開催します。
(6) 人を呼び込む ~シティプロモーション~
子育て世代に選ばれるまちをつくります
保育園や小中学校の給食費の一部を間接的、又は直接的に補助し、保護者の経済的負担を軽減します。
訪れてみたいまち、交流が盛んなまちをつくります
ウォーカブル推進都市として、官民連携による居心地が良く歩きたくなるまちなかを形成するため、本町通りにおいて、歩行者利便増進道路、いわゆる、「ほこみち」に向けた道路空間の再整備に着手します。
(7) 持続可能で未来につなげる
公共施設の適切な維持管理に努めます
日中にマイナンバーカードの電子証明書の更新手続が困難な方に対応するため、いちのみや駅ナカプラザで火曜日と木曜日に夜間窓口を開設します。
起つどいの里の敷地内に起公民館を建設し、起つどいの里は改修したうえで、起公民館として一体利用します。これにより、市内の23連区すべてに公民館が整備されることになります。
情報通信技術(ICT)を積極的に利活用します
最先端のAIを活用して、市民の声を施策に反映する実証事業や、AI人材育成のための事業を実施します。
地域DXを進め、デジタルサービスの利用者を拡大するため、学校施設とスポーツ・公園施設の施設予約システムを統合し、イチ・デジと連携します。また、デジタルデバイドの解消に向けた事業を実施します。
デジタル技術を活用した業務変革に一層取り組むとともに、業務でのAI利用を推し進め、AX(AI トランスフォーメーション)についても研究を進めます。
既存の公開型GIS「138マップ」を活用し、上下水道管路の配管情報を必要とする住民や事業者に情報提供します。
4.結び
2月8日に執行された衆議院議員総選挙では、物価高騰対策が大きな争点となりました。政府は「責任ある積極財政」によって、経済活動を活発化させることによって、「強い経済」を実現するとしています。
「経済」という言葉は、中国の古典で「経世済民」の略から来ており、世の中を治めて民を救うことを表したそうです。一宮市においても、地域経済の活性化により税収がアップすれば、所得の再配分となる福祉政策も進めやすくなります。市民生活がより豊かになり、さらに経済発展が進むという好循環につながっていくことに大きく期待しています。
市内では、新濃尾大橋の開通をはじめ、名岐道路・国道22号の高速化、尾張一宮パーキングエリアへのスマートインターチェンジ設置など、交通インフラ整備のビッグプロジェクトが進みつつあります。強い日本経済を支える、強い地域経済を一宮市でも創り出していくチャンスが到来しています。
令和8年度は、このようなポテンシャルがあるタイミングだからこそ、まちづくりのみならず、教育、医療、子育て支援、高齢者福祉など、あらゆる分野において未来志向で様々な施策に果敢に取り組み、将来に夢と希望の持てる一宮市にしていきたいと考えています。
今後も、市民の皆さまが暮らしやすさを実感し、一宮市に誇りと愛着を持って住み続けていただけるよう取り組んでまいります。引き続き、市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたしまして、令和8年度の市政運営方針の結びといたします。
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