平成27年度愛知県一宮市当初予算のあらまし

1．予算編成の基本方針

　わが国の経済状況は、これまで安倍内閣が取り組んできた、いわゆるアベノミクス及び日本銀行による量的・質的金融緩和措置により、経済の好循環が動き始め、景況や雇用・所得環境が改善されるなど、緩やかではありますが景気の回復基調が続いているとする一方で、円安の進行による輸入物価上昇や未だ影響が残る消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減など消費の下押しリスクも存在しています。さらに、中小企業や自営業の割合が高い当地域では、一部において業績の改善も見られますが、地元金融機関が本年1月に発行した景況レポートでは、全ての業種が、当面の先行きに対し下降すると見ていると報告しており、大幅な改善の期待は厳しいものと考えています。
　このような中で、市税収入につきましては、景気回復基調による個人・法人市民税の増は見込めるものの、評価替えによる固定資産税家屋分の減などマイナス要因もあり、大幅な増収を見込むまでには至っていません。
　また、本予算は予算編成時期の2月1日に市長選挙が執行されたことに伴い骨格予算となりました。政策的経費は極力組み込まず、人件費、扶助費、公債費といった義務的経費のほか、一般的に年間を通じて必要な経常的経費を中心に計上しましたが、投資的経費についても継続的に実施している事業、毎年経常的に行っている生活関連工事や諸施設の改修費・修繕費などについては予算措置しております。
　歳入におきましては、市税が平成26年度当初予算と比較し、8億円、1.7％の増となっています。その主な要因は、景気回復による所得の伸びなどにより市民税を前年度比で7億9,000万円の増と見込んだことによるものです。
そのほかの歳入では、国・県支出金が平成26年度では臨時福祉給付金給付事業や子育て支援減税手当支給事業を実施したことなどにより減となる一方で、地方消費税交付金が、平成26年4月からの地方消費税率引上げの影響の通年化による20億円の増、市債は、臨時財政対策債の大幅な減があるものの、ごみ焼却施設基幹的設備改良事業や小中学校施設非構造部材耐震化事業の増、新庁舎建設事業や（仮称）木曽川文化会館建設事業など合併特例事業の増などにより全体で38億6,000万円余の大幅な増となっています。
　歳出においては、総務費で新庁舎建設事業費などにより11億7,000万円余の増、衛生費でごみ焼却施設基幹的設備改良工事請負費などにより22億9,000万円余の増、消防費で緊急通信指令システム部分更新委託料、消防救急デジタル無線設備整備委託料などにより11億9,000万円余の増、教育費で（仮称）木曽川文化会館建設工事請負費、尾西市民会館改修工事請負費などにより14億6,000万円余の増となっています。

2．予算規模

一般会計予算額

1,104億5,000万円

前年当初比率：プラス4.7%　金額：プラス50億円余

全会計予算額

2,326億1,173万7千円

前年当初比率：プラス2.3%　金額：プラス52億円余

3．主な事業、特色ある事業(カッコ内の数字は事業費　単位：千円)

（注）太字は投資的事業

（1）健やかでいきいきと暮らせるまちづくり（安心）

• (改)避難行動要支援者支援事業（15,793）
  　大規模災害時に備え避難行動要支援者名簿を作成し、民生委員や町会長などの避難支援等関係者に配付する。
• (改)療育サポートプラザ運営委託料（15,375）
  　療育サポート事業における相談の増加に対応するため、相談の人員体制を強化する。
• (改)障害者相談支援事業委託料（33,000）
  　障害者相談支援センターの業務量増大により相談員を増員する。
• いずみ福祉園浴室改修工事請負費（30,437）
  　浴室等を更新し、高齢化した利用者のためのスロープ設置などバリアフリー化を行う。
• 社会福祉施設建設補助金（104,608）
  　社会福祉法人杏嶺会が冨田字流筋地内に医療型障害児入所施設を建設するための補助。平成28年3月開設予定　(平成26・27年度事業)
• (改)移動支援事業給付費（73,784）
  　内臓疾患等で著しく行動制限される身体障害者手帳2級の方まで給付対象を拡大する。
• 千秋東校下児童クラブ建物建設事業（13,992）
  　千秋東校下児童クラブを移転し、新築の建物を5年リースにより建設する。平成28年2月開設予定
• (臨)子育て世帯臨時特例給付金支給事業（173,137）
  　消費税率引上げの影響等を踏まえ、子育て世帯に対して「子育て世帯臨時特例給付金」を支給する。対象児童55,000人
• (新)病後児保育事業委託料（7,620）
  　新設されるアートチャイルドケア尾張一宮保育園で病後児保育を実施する。
• (新)障害児の居場所づくり事業（1,297）
  　児童発達支援センター(いずみ学園)において、障害児の居場所づくりとして、体験療育や親子遊びを新たに実施する。
• (新)生活困窮者自立支援事業（10,840）
  　生活保護に到っていない生活困窮者に対し、自立支援相談を実施し、住宅家賃を支給し、住宅及び就労機会の確保に向けた支援を行う。
• (新)いちのみや健康マイレージ事業（194）
  　健康習慣を身につけるため、一宮市独自のチャレンジシートを使い、「あいち健康マイレージ事業」との協働事業を実施する。
• (改)節目歯周病疾患検診の推進（11,880）
  　平成26年度までの40歳に加え、50歳の方にも受診の案内はがきを郵送する。

（2）自然と共生する快適なまちづくり（安全）

• (改)小型家電回収事業関係経費（1,625）
  　家庭用小型家電機器の回収拠点を10カ所増設し、レアメタル、貴金属の再資源化を推進する。
• 環境センターごみ焼却施設基幹的設備改良事業（2,752,527）
  　ごみ焼却施設長寿命化のための改良工事及び工事監理業務
  　ごみ焼却施設基幹的設備改良工事監理業務委託料：16,694　（平成26～29年度継続事業　総額53,849）
  　ごみ焼却施設基幹的設備改良工事請負費：2,735,833　（平成26～29年度継続事業　総額8,097,840）
• 緊急交通安全対策工事請負費（70,000）
  　路肩塗装(通学路カラー塗装)、横断歩道カラー塗装
• 新庁舎周辺道路整備工事請負費（54,300）
  　（平成26・27年度継続事業　総額57,000）
• 河川等水位監視システム更新業務委託料（2,750）
  　（平成27～37年度債務負担行為　限度額330,000）
• 準用河川改良工事請負費（80,000）
  　川崎川　L＝33メートル
• 小信調整池増設工事請負費（130,000）
  　地盤改良工事　（平成27～29年度事業）
• 緊急通信指令システム部分更新委託料（458,552）
  　通信指令機器の老朽化への対応及び平成28年度からの稲沢市との通信指令業務の共同運用に向けた部分更新を行う。
• 消防救急デジタル無線設備整備委託料（513,492）
  　平成28年5月末をもって、消防救急無線がデジタル方式に移行することに対応するための設備整備を行う。
• 浅井・西成消防出張所統合庁舎建設事業（122,505）
  　救急車配備を前提とした庁舎の統合。平成29年4月供用開始予定

（3）たくましい産業が躍動するまちづくり（元気）

• 一宮商工会議所会館建設事業補助金（250,000）
  　一宮商工会議所の会館建設費用の一部を補助。平成27年10月開設予定　(平成26・27年度事業)

（4）個性をはぐくむ教育・文化のまちづくり（個性）

• 尾西市民会館改修工事関連経費（519,548）
  　耐震補強、客席改修、便所改修、屋上防水等
  　尾西市民会館改修工事監理委託料：8,000　（平成26・27年度継続事業　総額10,600）
  　尾西市民会館改修工事請負費：511,548　（平成26・27年度継続事業　総額546,048）
• 光明寺公園球技場改修工事請負費（228,300）
  　メーングラウンド、エントランス補修、メーンスタンド防水改修等　（平成26・27年度継続事業 総額330,300）
• (仮称)木曽川文化会館建設工事請負費（900,000）
  　客席292席を有するホール棟の建設。平成28年10月供用開始予定　（平成26～28年度債務負担行為　限度額930,000）
• 校舎等大規模改造事業（198,451）
  　校舎改修設計委託料：15,638　（浅野小、奥小、浅井中、木曽川中）
  　便所改造設計委託料：2,913　（大和中、奥中）
  　校舎改修工事請負費：133,700　（浅井北小、萩原中）
  　便所改造工事請負費：46,200　（西成東部中）
• 学校施設非構造部材耐震化事業（600,305）
  　屋内運動場非構造部材耐震化工事請負費：175,200　（大和西小、黒田小、木曽川西小）
  　武道場非構造部材耐震化設計委託料：1,005　（木曽川中）
  　武道場等非構造部材耐震化工事請負費：307,000　（中部中、南部中、尾西第一中、尾西第三中）
  　武道場非構造部材耐震化工事請負費：117,100　（西成中、丹陽中、浅井中、萩原中）
• (新)一宮市教育センター運営事業関連経費（12,662）
  　平成27年8月に開設する一宮市教育センターの運営経費及び初度調弁費
• (改)中学生海外派遣旅費補助金（12,375）
  　学校推薦に加え、公募による選定を実施（派遣19人から24人）
• 一宮市立図書館100周年記念事業（189）
  　平成27年12月24日に設立100周年を迎えるにあたり、記念クリアホルダーを3,000部作成、配布する。
• (改)博物館運営協議会委員報酬（148）
  　博物館運営等指導委員会を廃止し、新たに博物館運営協議会を設置する。
• (臨)資料館別館耐震診断業務委託料（6,100）
  　尾西歴史民俗資料館別館旧林家住宅(国登録文化財)
• 大宮公園弓道場耐震補強工事請負費（26,400）

（5）活発な交流が生まれる魅力あるまちづくり（交流）

• 新一宮尾西線道路改築事業関連経費（489,646）
  　東五城地内外　L＝850メートル　W＝16メートル
• 木曽川玉野線道路改築事業（138,094）
  　起地内　L＝310メートル　W＝16メートル
• 鞆江緑地公園整備事業（3,000）
  　測量及び実施設計業務委託　（平成27～29年度事業）
• 観音寺駅駅前広場実施設計業務委託料（2,927）
  　苅安賀駅付近鉄道高架事業（県事業）に関連し、観音寺駅駅前広場整備の実施設計を行う。

（6）市民と行政の協働が織りなすまちづくり（協働）

• 地域づくり協議会交付金（96,457）
  　地域住民による自主的な地域活動の推進を図るため、地域づくり協議会へ交付金を支給する。
  　神山・富士・大和町連区において地域づくり協議会が新設された。(平成27年度は、合わせて20団体が対象となる。)
• 地域づくり協議会提案事業交付金（10,029）
  　設立認定から4年を経過した協議会が、一時的に事業費を投下することで、より効果が見込める事業に対して交付する。
  　対象：西成・向山・北方町・萩原町・小信中島連区地域づくり協議会

（7）分権時代に生きる自立したまちづくり（自立）

• 新庁舎建設事業の推進（2,273,809）
  　第1期
  　新庁舎(第1期)建設工事監理委託料：21,000　（平成23～27年度継続事業　総額199,500）
  　新庁舎(第1期)建設工事請負費：1,342,509　（平成23～27年度継続事業　総額10,208,239）
  　第2期
  　新庁舎(第2期)建設工事監理委託料：14,300　（平成26・27年度継続事業　総額17,000）
  　新庁舎(第2期)建設工事請負費：896,000　（平成25～27年度継続事業　総額970,000）
• (臨)社会保障・税番号制度関連経費（150,697）
  　総合行政システム改修業務委託料：142,597
  　社会保障・税番号制度支援業務委託料：8,100
  　（平成26～28年度債務負担行為　限度額31,320）