平成26年度愛知県一宮市当初予算のあらまし

1．予算編成の基本方針

　わが国の経済状況は、安倍内閣が進めた緊急経済対策や日本銀行による強力な金融緩和措置などにより、企業収益や雇用情勢が改善されるなど、緩やかではありますが景気は回復しているとの見方をされており、平成26年では、いわゆる「骨太の方針」を加速させることなどにより、一層の景気回復やデフレからの脱却が進んでいくことが期待されています。その半面で、「景気回復の実感ができない」、「賃金の改善には至っていない」などの声も多く聞かれ、消費税率引上げ前の駆け込み需要に伴う消費の落ち込み懸念も同時に存在しています。中小企業や自営業の割合が高い本市においては、その産業構造からも景気回復の効果が及ぶまでにはまだまだ時間がかかるものと考えています。
　このような中で、平成26年度の市税は、平成25年度当初と比較し、全体では12億円、2.6％の増となっています。この主な要因は、市民税において、所得の伸びや税法改正などにより前年度比で6億1千万円の増、固定資産税において、家屋分で新増築による増などにより4億6千万円の増を見込んだことによるものです。
　歳入においては、合併特例事業である新庁舎建設工事がほぼ終了したことなどにより市債が41億円の大幅なマイナスとなっていますが、消費税率引上げに伴う地方消費税交付金の増、消費税率の引上げに際し、低所得者に対する適切な配慮を行うために国や愛知県が実施する臨時福祉給付金、子育て支援減税手当費などの財源として、国・県補助金の増があったことにより、歳入全体では0.2％の微増となっています。
歳出においては、総務費で新庁舎建設事業費が56億3千万円の大幅減となったものの、臨時福祉給付金、子育て世帯臨時特例給付金などで民生費が増加しているほか、（仮称）尾西北部地区公民館建設や尾西運動場改修工事などにより教育費が増となっています。
　予算編成にあたっては、新規・臨時の事業の厳選、既存の事業の廃止、縮小・統合といった歳入歳出全般にわたる見直しを徹底するとともに、安全・安心なまちづくりを重点課題として医療や介護、少子化対策、防災・防犯対策などの充実に努めるほか、公民館の新築・改築・改修など地域活動の場の拡充にも意を用いました。

2．予算規模

一般会計予算額

1,054億4,300万円

前年当初比率：プラス0.2％ 金額：プラス2億2千万円余

全会計予算額

2,274億547万円

前年当初比率：マイナス1.5％ 金額：マイナス34億6千万円余

3．主な事業、特色ある事業　(カッコ内の数字は事業費　単位：千円)

（注）太字は投資的事業

（1）健やかでいきいきと暮らせるまちづくり（安心）

• (臨)臨時福祉給付金等支給事業（2,060,000）
  　消費税率引上げの影響の緩和と消費の下支えを図る観点から、「臨時福祉給付金」、「子育て世帯臨時特例給付金」及び「子育て支援減税手当」を支給する。
• グループホーム・ケアホーム建設補助金（75,000）
  　補助額　15,000（上限）×5施設
• (新)としよりの家等浴場利用有料化関係経費（14,369）
  　市内15カ所に設置されているとしよりの家などの浴場利用について、光熱水費などの経費の一部を利用者に負担していただくための施設整備
• 社会福祉施設建設補助金（27,500）
  　社会福祉法人愛知慈恵会が萩原町西御堂地内に特別養護老人ホームを建設するための補助。平成27年1月開設予定　(平成25・26年度事業)
• 大和東校下児童クラブ建物建設事業（10,206）
  　大和東校下児童クラブを移転し、新築の建物を5年リースにより建設する。平成26年9月開設予定。
• 放課後児童保育施設整備工事請負費（31,600）
  　神山第2・末広第2児童クラブ倉庫解体及び駐車場等整備：9,529
  　小信中島児童クラブ移転のため、小信中島つどいの里2階を改修：22,071
• 保育園乳児室改修事業（53,330）
  　黒田北保育園、浅井北保育園の幼児室を乳児室に改修する。
• (改)私立幼稚園就園奨励費補助金（458,325）
  　国の保育料等への補助額改正に伴う市補助単価の変更
• (臨)風しんワクチン接種緊急促進事業（500）
  　抗体検査により抗体が十分でないと確認できた方に対して、接種費用を助成する。
• (新)働く世代の女性支援のためのがん検診の推進関係経費（44,080）
  　過去に子宮頸がん又は乳がん無料クーポン券を配布されて未使用の方へ、再度クーポン券などを送付し受診率の向上を図る。

（2）自然と共生する快適なまちづくり（安全）

• 環境センター基幹的整備改良事業（525,700）
  　ごみ焼却施設長寿命化のための改良工事及び工事監理業務
  　ごみ焼却施設基幹的設備改良工事監理業務委託料：9,700　（平成26～29年度継続事業　総額62,600）
  　ごみ焼却施設基幹的設備改良工事請負費：516,000　（平成26～29年度継続事業　総額8,602,000）
• 緊急交通安全対策工事請負費（50,000）
  　路肩舗装(通学路カラー舗装)、横断歩道カラー塗装
• 新庁舎周辺道路整備工事請負費（2,700）
  　（平成26・27年度継続事業　総額57,000）
• 準用河川改良工事請負費（121,000）
  　千間堀川　L＝81メートル、川崎川　L＝27メートル
• 流域貯留施設築造工事請負費（80,100）
  　宮西小学校　貯留面積 0.40ヘクタール、貯留量 480立方メートル
• (新)防水板施設設置補助金（3,000）
  　浸水防止のため住宅などの出入口に設置する防水板施設の設置費用補助
• (新)民間木造住宅解体補助金（10,000）
  　補助限度額　1件20万円
• (新)民間非木造建築物耐震改修補助金（2,700）
  　補助限度額　1件90万円

（3）たくましい産業が躍動するまちづくり（元気）

• (新)一宮市地域貢献企業認定事業関係経費（486）
  　企業が行う社会貢献活動をポイント化し、その貢献度により「(仮称)一宮市サポートカンパニー」として認定し、企業も含めた協働のまちづくりを推進する。
• (臨)プレミアム商品券発行事業交付金（30,000）
  　消費税率引上げに伴う一時的な地域経済の冷え込みに対応するため、商工会議所などが発行するプレミアム商品券のプレミアム部分(10％を予定)を負担する。

（4）個性をはぐくむ教育・文化のまちづくり（個性）

• アイプラザ一宮開館準備関連経費（108,431）
  　愛知県から無償譲渡を受ける「アイプラザ一宮」を市の施設として開館準備を進めるとともに、一部を改修して(仮称)一宮市教育センターを整備する準備経費。平成27年4月開館予定。
• 尾西市民会館改修工事関連経費（37,100）
  　耐震補強、客席改修、便所改修、屋上防水等
  　尾西市民会館改修工事監理委託料：2,600　（平成26・27年度継続事業　総額10,600）
  　尾西市民会館改修工事請負費：34,500　（平成26・27年度継続事業　総額516,500）
• 光明寺公園球技場改修工事請負費（102,000）
  　メーングラウンド、エントランス補修、メーンスタンド防水改修等　（平成26・27年度継続事業　総額330,300）
• (臨)産業体育館等整備基本構想策定業務委託料（1,989）
  　産業体育館の改築について、近隣の神山公民館と神山としよりの家の複合化を含めた総合的な検討を行う。
• (仮称)木曽川文化会館建設実施設計委託料（45,500）
  　建設面積　1,433平方メートル、客席　300席
• 校舎等大規模改造事業（98,400）
  　校舎改修工事：末広小学校
  　便所改修工事：奥中学校
• 小中学校学校施設非構造部材耐震化事業（30,621）
  　屋内運動場非構造部材耐震化設計委託料：5,463　（大和西、黒田、木曽川西、木曽川東小学校）
  　武道場等非構造部材耐震調査委託料：12,600　（中部、南部、尾西第一、尾西第三中学校）
  　武道場非構造部材耐震化設計委託料：12,558　（葉栗、西成、丹陽、浅井、今伊勢中学校など11中学校）
• 墨会館耐震改修事業（184,600）
  　墨会館耐震改修工事監理委託料：5,600　（平成25・26年度継続事業　総額15,600）
  　墨会館耐震改修工事請負費：179,000　（平成25・26年度継続事業　総額419,000）
• 千秋公民館改築工事請負費（82,900）
  　鉄筋コンクリート造2階建、延べ床面積1,035.77平方メートル　（平成25・26年度継続事業　総額348,700）
• (仮称)尾西北部地区公民館建設工事請負費（337,000）
  　鉄筋コンクリート造2階建、延べ床面積975.83平方メートル　（平成25・26年度継続事業　総額351,400）
• 大和公民館設計委託料（24,076）
• 常設展示リニューアル業務委託料（博物館）（263,000）
  　（平成25・26年度継続事業　総額273,000）
• 博物館エレベーター・喫茶室設置事業（61,400）
  　博物館エレベーター・喫茶室設置工事監理委託料：3,400　（平成25・26年度継続事業　総額5,100）
  　博物館エレベーター・喫茶室設置工事請負費：58,000　（平成25・26年度継続事業　総額64,500）
• 尾西運動場改修工事請負費（258,000）
  　（平成25・26年度継続事業　総額278,000）

（5）活発な交流が生まれる魅力あるまちづくり（交流）

• 新一宮尾西線道路改築事業関連経費（373,401）
  　東五城地内外　L＝850メートル　W＝16メートル
• 木曽川玉野線道路改築事業（95,458）
  　起地内　L＝310メートル　W＝16メートル
• 本町線(市道0135号線)電線共同溝整備事業（11,880）
  　本町1丁目地内　L＝120メートル　W＝15メートル
• 栄線道路改良事業（23,700）
  　栄2丁目地内　L＝160メートル　W＝36メートル
• 観音寺駅・苅安賀駅駅前広場基本設計業務委託料（2,679）
  　名鉄尾西線苅安賀駅付近鉄道高架化事業(県事業)に合わせた観音寺駅及び苅安賀駅の駅前広場整備

（6）市民と行政の協働が織りなすまちづくり（協働）

• 地域づくり協議会交付金（76,634）
  　地域住民による自主的な地域活動の推進を図るため、地域づくり協議会へ交付金を支給する。
  　宮西・大徳・木曽川町連区において地域づくり協議会が新設された。（平成26年度は、合わせて17団体が対象となる。）
• 地域づくり協議会提案事業交付金（5,261）
  　設立認定から4年を経過した協議会が、一時的に事業費を投下することで、より効果が見込める事業に対して交付する。
  　対象：西成・向山・北方町連区地域づくり協議会

（7）分権時代に生きる自立したまちづくり（自立）

• 新庁舎建設事業の推進（538,360）
  第1期
  　新庁舎(第1期)建設工事監理委託料：22,520　（平成23～27年度継続事業　総額199,500）
  　新庁舎(第1期)建設工事請負費：443,140　（平成23～27年度継続事業　総額10,202,385）
  第2期
  　新庁舎(第2期)建設工事監理委託料：2,700　（平成26・27年度継続事業　総額17,000）
  　新庁舎(第2期)建設工事請負費：70,000　（平成25～27年度継続事業　総額970,000）
• 尾西庁舎改修工事請負費（276,000）
  　尾西庁舎東館の機能見直しによる改修及び西館の解体
• 木曽川庁舎改修・耐震補強工事請負費（379,000）
  　木曽川庁舎の機能見直しによる改修及び耐震補強
• (臨)社会保障・税番号制度導入関係経費（215,120）
  　総合行政システム改修業務委託料：213,734のうち200,000
  　社会保障・税番号制度支援業務委託料：15,120　（平成26～28年度債務負担行為　限度額31,320）