糖尿病を予防しよう
ページID 1023248 更新日 2024年3月28日 印刷
糖尿病ってどんな病気?
糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの不足や作用低下が原因で、血糖値の上昇を抑える働き(耐糖能)が低下してしまうため、高血糖が慢性的に続く病気です。
初期には症状がほとんどありませんが、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患等になりやすく、悪化すると透析が必要になることがあります。そのため、健診で「血糖値」や、「ヘモグロビンA1c」を確認したり、適切な受診(治療)をして、糖尿病が進行しないようにすることが大切になります。
糖尿病の検査項目
血糖とは
血液中に含まれるブドウ糖のことであり、その濃度を表したものが血糖値です。
食事で摂取したブドウ糖は、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きでエネルギーとして処理されます。食後は一時的に血糖値が上がり、その後インスリンにより下がりますが、摂取するブドウ糖が多すぎるとインスリンが不足して血糖値が下がらなくなってしまいます。
空腹時血糖値とは
食事の影響を受けていないとき(食後10時間以上)の血糖を調べたものです。
ヘモグロビンA1c値とは
血液中のたんぱく質であるヘモグロビンがどれくらいブドウ糖とくっついたかを調べることによって、過去1~2カ月の血糖の状態を調べたものです。検査前の食事の影響を受けない数値のため血糖コントロールの目安になります。
一宮市の状況
特定健康診査において、糖尿病と判断された人(糖尿病有病者)の割合をみると、約10%で推移しています。そのうち治療継続者の割合は、令和元(2019)年度以降は下降傾向にあり、令和3(2021)年度では78.5%となっています。
なぜ糖尿病を放置するとこわいの?
糖尿病を放置していると全身に合併症を引き起こします。
たとえば・・
- 血のかたまりができやすくなる
- 血管が破れやすくなる
- 運動や感覚のまひが起こる
- 感染症や炎症が起こりやすくなる など
糖尿病三大合併症
高血糖の状態が長く持続すると、組織のたんぱく質に血液中のブドウ糖が結合した物質が増えて、全身の小さな血管を傷つけ血管が詰まったり破れたりします(糖尿病性細小血管症)。そのため、特に小さな血管が多く集まっている網膜や腎臓が障害を受けます。
糖尿病性網膜症
網膜の血管が傷つき、悪化すると失明に至ります。
糖尿病性神経障害
手足のしびれや痛みなどの症状がでます。進行すると手足(患部)を切断しないといけなくなることがあります。
糖尿病性腎症
高血糖が原因で、腎臓のろ過機能が低下している状態です。ある程度進行するまでは自覚症状がありません。しかし、症状が進行すると、むくみ、貧血、高血圧などを伴い、最後は腎不全となり、人工透析が必要になります。
そのため、健診で「尿タンパク(アルブミン)」や「GFR値(糸球体ろ過値)」を確認したり、適切な受診(治療)をして、糖尿病性腎症が進行しないようにすることが大切になります。
腎機能をみる検査項目
- 尿蛋白(アルブミン)とは
尿に含まれるたんぱく質のことです。
たんぱく質は腎臓のろ過機能により再吸収されるため、本来は尿中に排泄されません。しかし、腎臓のろ過機能が低下すると、再吸収できず、尿に残ったままとなります。 - GFR(糸球体ろ過値)とは
クレアチニンという成分(不純物)が、腎機能が低下して取り除けなくなると、血液中に残ります。この血中クレアチニンの数値を年齢や性別などで計算し、腎臓のろ過機能がどれだけ保たれているかを見る値です。
生活習慣を見直しましょう!
食事
空腹時血糖値は正常でも、食後短時間だけ血糖値が上昇するという食後高血糖(血糖値スパイク)が体や血管に負担をかけ、糖尿病や心筋梗塞等の発症リスクを高めます。
食後の血糖値を急激に上げないための食事の工夫をしましょう。
- 厚生労働省e-ヘルスネット 糖尿病の食事(外部リンク)
- 糖尿病情報センター 糖尿病の食事のはなし(基本編)(外部リンク)
- 公益社団法人 日本糖尿病協会 糖尿病患者さんのための自宅で簡単!食事療法(外部リンク)
食べる順番を変えてみましょう
同じメニューでも、食べる順番で食後の血糖値の上昇を抑えられることが分かってきました。
最初に野菜を食べるベジファーストを心がけ、次に魚や肉を食べてからご飯を食べるようにしましょう。
腹八分目を心がけましょう
早食いや大食いにより急激に血糖値が上昇すると、すい臓はその分インスリンを作らなくてはなりません。
食事は、ゆっくりとよく噛んで、腹八分目に抑えましょう。
食物繊維を多く含む食品を積極的にとりましょう
糖質の吸収を抑える作用があり、急な血糖上昇を防ぐ効果があります。
間食、お酒の回数や量を減らしましょう
夕食後のおやつや果物は、高血糖が続くことにつながるため控えましょう。
お酒は肝臓内のグリコーゲンをブドウ糖に分解する作用があるため、血糖値を上昇させます。また、お酒には多くの糖が含まれているため、適量を心がけましょう。
糖尿病性腎症の食事
基本的には糖尿病の食事と変わりませんが、糖尿病食に加えて、減塩(血圧)にも注意が必要です。また、悪化して腎機能が低下した場合には、たんぱく質制限が必要になることがあるので、継続的に受診し、主治医と相談しましょう。
運動
「+10分」身体を動かすことを心がけましょう
運動により筋肉への血流が増えると、ブドウ糖がどんどん細胞の中に取り込まれ、インスリンの効果が高まり、血糖値は下がりやすくなります。
毎日今より10分多く身体を動かすことを心がけましょう。10分歩くと1000歩になります。
日常生活の身体活動量を増やしましょう
ちょっとした工夫や心がけで日常生活の活動量が増え、消費エネルギーが増えます。
(自転車で通勤する、1駅手前で下車して歩く、エレベーターやエスカレーターを使わず階段を使う、歩いて買い物に行く、毎日の掃除の時間を増やす、テレビを見ながら筋トレやストレッチをする)
ウォーキングに挑戦してみましょう
長時間継続して歩くことで有酸素性運動ができる手軽な運動がウォーキングです。有酸素性運動は継続時間が長くなるほど脂肪をエネルギーとして利用する比率が高まるので、体脂肪の減少による肥満解消や血糖値の改善などに効果があります。日常生活の中で身体活動量を増やすことができたら、ウォーキングに挑戦してみましょう。
一宮市健康づくりサポーターが、ウォーキング大会を開催しています。
家族、友人を誘って参加してみませんか。
以下のリンクから詳細をご覧ください。
自転車を利用してみましょう
車ではなく、自転車を利用することで、身体活動量を増やすことができます。
一宮市で開催する教室
一宮市では、「栄養教室」「すっきり!運動教室」を実施しています。
詳細は以下のリンクよりご確認ください。
その他の生活
喫煙者は禁煙しましょう
たばこを吸うと交感神経が刺激され血糖が上昇するだけでなく、体内のインスリンの働きが妨げられます。糖尿病にかかりやすくなるため、禁煙を実行しましょう。
保健センターでは禁煙個別サポートを実施していますので、ご活用ください。また、医療機関で医師による禁煙指導が受けられる「禁煙外来」もあります。
ストレスと上手につきあいましょう
ストレスは飲酒量や喫煙本数の増加、過食など行動面に現れることがあります。またうつ病になると、運動不足になり、自己管理も難しくなり、糖尿病になりやすくなるとも言われています。自分に合った方法でストレスを解消したり、十分な睡眠と休息をとりましょう。
糖尿病患者さんの災害時の備え
普段から、災害時に備え非常食や飲み物を準備しておきましょう。
詳細は、以下リンク先をご覧ください。
11月14日は「世界糖尿病デー」です。
11月14日は、世界各地で、糖尿病の予防や治療を呼びかける啓発活動が実施されています。国内でも、様々なイベントが各地で開催されています。この機会に、糖尿病について考え、予防にむけた取り組みをはじめましょう。
一宮市生活習慣病重症化予防プログラム(糖尿病性腎症重症化予防プログラム版)を実施しています
目的
糖尿病性腎症の早期発見及び重症化を予防して、腎不全、人工透析への移行を防止し、市民の健康増進及び医療費の増加抑制を図ることを目的に、糖尿病性腎症重症化予防プログラムを実施しています。
内容
糖尿病が重症化するリスクの高い医療機関未受診者・受診中断者に対し適切な受診勧奨、保健指導を行うことによって治療に結びつけるとともに、糖尿病で治療中の患者のうち、腎症が重症化するリスクの高い通院患者に対しても医療機関と連携して、主治医の指示のもと、保健師・管理栄養士が6カ月間面談・電話で生活習慣改善に向けたサポートを行います。
プログラム対象者
前年度の一宮市特定健康診査及び一宮市後期高齢者医療健康診査の結果が、下記の基準に該当する方。かつ、糖尿病の治療中で医師がプログラムによる支援を必要と判断した人等。
40~64歳 | 65~74歳 | 75~79歳 | |
---|---|---|---|
HbA1c(%) | 6.5以上 | 7.0以上 | 7.0以上 |
尿たんぱく | 陽性(+)以上 | 陽性(+)以上 | |
eGFR(ml/分/1.73) | 50未満 | 50未満 | 50未満 |
・75~79歳の者については、尿たんぱくの条件は不問とする。
プログラム対象者には、市やかかりつけ医から案内があります。ご自身の健康のためにぜひご活用ください。ご参加をお待ちしております。
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電話:0586-52-3858 ファクス:0586-24-9388
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