12月号 これからの上下水道
ページID 1058112 更新日 2023年12月1日 印刷
お値打ち(=わりと安価でも高い品質)
一宮市の水道は、昭和9年の事業開始から間もなく90年を迎えます。木曽の清流に恵まれて発展してきた一宮市は、かなり「お値打ち」に水道水を供給してきました。中でも地中を流れる「伏流水」は、自然のろ過作用によるキレイなおいしい水で、この水をボトルに詰めた「おりひめ 木曽川が織りなす水」は大変ご好評をいただき、5年連続で製造数を完売しています。
※水源の割合は、伏流水20.4%、地下水43.3%、県水(愛知県から購入)36.6%となっています。(令和4年度実績)
公共下水道は、大正15年の事業開始から令和8年に100周年を迎える歴史があります。昭和30年代には今の東部・西部の二つの浄化センターで汚水処理が始まりました。今後は老朽化した市の浄化センターに代わり、県の浄化センターで汚水の処理を行う広域化を進め、将来に向けて下水道サービスを継続できるようにしていきます。
上下水道を取り巻く環境の変化
地球環境に優しいライフスタイルへの転換は素晴らしいことなのですが、生活の「節水型」の普及によって、水道水を使用する場面が減ってきています。また、人口減少社会でも市内の世帯数は微増を続けていて「ひとり暮らし」世帯が増えています。外食やテイクアウトなどにより自炊が減り、湯船につかることなくシャワーで済ませるなど、多様な生活様式も相まって市内で使われる水道量は減少しています。このため、事業運営の原資である水道料金・下水道使用料の収入も減少していて、厳しい経営状況が続いています。
安かろう悪かろうにならぬように未来へ投資
一宮市の水道管は、令和4年度末で2,444kmあります。このうち33.6%の820kmが法定耐用年数の40年を超えた老朽管となっています。下水道管においては1,477kmのうち15.3%の226kmが老朽管です。また南海トラフ地震の危険性が心配される中、重要な水道管である「基幹管路」の耐震化率が31.3%と県内平均の44.0%より低く、耐震化が遅れている状況です。老朽化対策の遅れで、漏水の発生や道路陥没などが心配されます。地震発生時には、長期間の断水によって日常生活への復帰が遅れることも危惧しています。
経営の効率化として、事務の外部委託などを通じて職員の削減も平成22年227名→現在186名(約2割カット)とスリム化を行ってきましたが、捻出できる資金には限りがあります。将来に向けて、必要な事業資金の確保が大きな課題となっています。
審議会からの答申
7月から一宮市水道料金等審議会を開き、学識経験者や経済界の方々に「水道料金・下水道使用料のあり方」を議論していただき「効率的な経営が前提となるが、今後も安定して水道・下水道サービスが供給できるような料金体系の構築が必要である」との答申をいただきました。
物価高騰で日常生活が厳しい中、大変心苦しいことではありますが、料金の引き上げをお願いしなければならない状況と受け止めています。早速、この市議会12月定例会に、料金の改定について審議をお願いする予定です。引き続き経営改善に取り組みながら、市民の皆さまの生活を支える重要なライフラインである上下水道を、将来にわたって安定的に提供できるように経営基盤の強化に努めていきます。
「2023(令和5)年12月号 広報一宮」 掲載
※記事中の内容・数値などは掲載時点のものです。
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