【愛知県市長会】海外事業に参加して
ページID 1024397 更新日 2022年1月14日 印刷
海外事業に参加して
市長に就任してから2年余り、様々な機会で、地域の経済や社会が国際化していることを実感させられてきました。あわせて、いわゆる「国際化」のトレンドの中で、一宮市が受け身になることなく、能動的に関わるためには、どうすれば良いか、という点にも頭を悩ませてきたところです。そのため、今回の海外事業に対しては二つ返事で参加させて頂きました。まずは、企画して頂いた市長会の鈴木(前)会長や事務局はじめ、関係の皆さま方に感謝を申し上げたいです。
以下は、今回の事業の中で、特に印象に残り、これからの市政に活かしていきたいと考えたポイントなどです。
1. アジアの元気と中国
2010年に経済力(GDP)で中国が日本を抜く、という時は騒ぎになったが、既に中国は日本の倍以上という圧倒的な規模に成長している。また、国家としての比較だけでなく、今回の事業でまわった各国で「華僑」の持つ存在感は飛びぬけて大きいものがあった。あらためて中国との付き合い方がアジアでの日本の立ち回りを大きく左右することを実感した。
2. 企業家精神
マレーシアの本社に訪問したAirAsiaの社内は、まさにオープンそのもので、社長室(室という壁などの区切りはなかったが)やデスク・イスまで我々のような部外者に披露されていた。従業員も若い世代が多いようで、活気あふれる中で、LCCという新たなビジネスモデルをアジア地域に拡大している。
よく言われることであるが、過去の成功や枠組みにとらわれているかのような日本に対して、常滑市に置かれる日本法人本社を通じて、良い刺激を与えてもらいたい。Apple創業者スティーブ・ジョブズが如何にSONY盛田昭夫にあこがれていたかは伝記で有名な話。日本人も素質では決して負けていない「はず」
3. Cool Japan/日本のイメージ
インドネシアでは、自動車の9割が日本車であると聞き、とても嬉しく誇りに思ったが、この信頼性や人気を維持していくには、とてつもない努力が必要であろう。お邪魔したアイシンの人たちの頑張りには頭が下がりました。
マレーシアでは、クアラルンプールの伊勢丹で、現地の人が「日本」に対して抱く良いイメージというものを実感し、また、そうしたイメージを商品の高付加価値に直結させる努力を見ることができた。20世紀の製造業「良いものを安く」ではなく、21世紀型の「良いものを高く」売るビジネス戦略であり、これは工業製品だけでなく、食品や飲料など、幅広い分野に活用できる。特に日本酒では「獺祭」のような新たな成功事例が出ているようだが、服飾フロアでは、今でもコムデギャルソン(川久保玲)やY's(山本耀司)といった1980年代のスターに頼っている感があり、残念であった。新世代のクリエーターたちの活躍を期待したい。
4. 今後の取り組み
今回の事業が単独の市で動くのに比べて格段の成果が得られたとおり、国際化対応では、県内の市町村が連携して動くことで、より効果的になるプロジェクトは多いと考える。「観光」分野でも、これからは愛知県内でのテーマ設定による調整機能が強化されることが望ましい。例えば、「祭り」で、いつなら何市で何が開かれており、優先座席枠や宿の有る無し、などに、市町村の枠を超えて相談に乗れる窓口があれば喜ばれるであろう。知多半島などはエリア単位で動いているようだが、まだまだ尾張地域は連携が弱いように思う。こうした観点からも、県の観光協会や中部運輸局等が進める観光プロジェクト(昇竜道)の今後に大いに期待し、一宮市としても貢献していきたい。
また、一宮市が得意とできそうなクールジャパン・ポップカルチャー系は、若年層でネットの世界が主のため現地の旅行代理店(高齢層向け)としてはターゲット外のようであった。同世代でないと通じ合わない感性もあると思うので、我々のような首長・地域のリーダーだけでなく、職員など実務家レベルにも同じ問題意識をもって動いてもらえる仕かけづくりを考えたい。
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